大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum, GEM)は世界でも有数の巨大な博物館建設プロジェクトのひとつです。ファラオの歴史には世界中から関心が寄せられており、ギザのピラミッドから2kmに位置するこの新たな文化施設の完成を心待ちにしている方がそこかしこにいらっしゃるでしょう。

カイロにあるエジプト考古学博物館の建物は老朽化し手狭になってきたものの、土地の制限から博物館自体を拡張することが難しいため、新しい博物館の建設が決定されました。2002年2月、ムバラク大統領によって大エジプト博物館の礎石が置かれました。2003年には、建物のデザイナーを決めるコンペティションが開かれました。

ツタンカーメンコレクションといった人類の重要な文化遺産のため、国際コンペティションを通して、現代的で景観を意識した建物が選ばれました。この新博物館では、古代エジプトの文化や技術をその膨大なコレクションを通して体感することができます。また、子どもや大人への教育サービスや研究環境も整っており、障害を持った方にもお越しいただきやすく、庭園からはギザのピラミッドのすばらしい景観がご覧いただけるなど、ご来場者には様々な体験やサービスを楽しんでいただけます。

JICA(独立行政法人国際協力機構)は日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関であり、エジプト政府に842億円の円借款を供与しています。これにより建設費や展示、内装、景観デザイン、ICT(情報通信技術)開発にかかる経費の大部分をまかなっています。