GEM-JCプロジェクトマネージャーよりご挨拶
大エジプト博物館合同保存修復プロジェクト(通称GEM-JCプロジェクト)は、2010年より続く国際協力機構(JICA)と大エジプト博物館(GEM)との協力プロジェクトの一環です。
40名以上の日本人専門家および60名以上のエジプト人専門家が本プロジェクトに参加し、のちにGEMに展示されることとなる72点の対象遺物の移送、調査、保存修復を行うことを目的としています。
これらの対象遺物は素材によって木製品、染織品、そして壁画という3つのグループに分類されています。木製品としては、ツタンカーメン王コレクションより5点の戦車および3点の儀礼用ベッド、また染織品としては、同コレクションから57点が選ばれており、さらにこれらにイニ・スネフェル・イシェテフのマスタバの壁画セット6点が加わります。
本プロジェクトは、エジプトのアナーニー考古大臣およびGEMのタレク・タウフィク館長の監督のもと、2016年12月16日に開催された日本側およびエジプト側との第1回合同調整委員会(JCC)をもって始まりました。
本プロジェクトよりGEMの保存修復センター(GEM-CC)に対して、分析診断に必要となる最新機器や材料を供与していただいており、これによって対象遺物にとって最適な保存修復計画を策定することが可能となっております。
本プロジェクトにおける両国の国際的かつ学際的な交流や協力関係を通じて、GEM-CCの専門家の益々の能力開発を行うというGEM-CCの目標達成の一助となっています。
GEM-JCプロジェクトマネージャー
フセイン・カマル