GEM-CCの保存修復家は、ツタンカーメン王の染織品の状態や特質な情報を収集するため、マルチスペクトル画像解析を行いました。これらはドキュメンテーションとしても重要な情報源となります。

マルチスペクトル画像とは、複数の波長帯の光源を用いて撮影した画像のことです。遺物の波長帯ごとのスペクトル反射特性を把握することで、さらに詳細な情報を得ることが出来ます。例えば、その遺物は過去にどのような修復がなされたのか特定したり、染料や染色などの生地の表面に残った化学的性質を調べたりすることなども可能となるのです。

この画像解析は記録というドキュメンテーションの意味合いだけにとどまらず、染織品に対する考古学的理解を深めることにも繋がります。これからどのような新情報が得られるのか、保存修復家一同、非常に楽しみにしています。