10月14日、大エジプト博物館(GEM)と大エジプト博物館合同保存修復プロジェクト(GEM-JCプロジェクト)チームは、日本語のツアーガイドがある旅行代理店向けにGEM-CCで勉強会とラボツアーを実施。GEM-CCで行われている業務やプロジェクトにおける日本とエジプトの技術協力について紹介しました。
GEMのタレク・タウフィック館長によりGEMの紹介があり、参加者からの質疑応答の時間も設けられました。GEM-CCの技術部長であるフセイン・カマル博士がGEM-CCの歴史と保存修復作業のほか、GEM-CCが稼動する2010年以前から日本とエジプトがどのように共同作業を行ってきたかを発表しました。
その後、JICAのGEM関連プロジェクト担当者である坂本圭氏からエジプトにおけるJICAプロジェクトについての簡単な説明がありました。なかでもGEMプロジェクトは日本がこれまでにエジプトに対して支援してきたプロジェクトとしては最大のものであると力説されました。
GEM-JCプロジェクトの西坂朗子総括補佐からは、プロジェクトの説明および72点の対象遺物の移送や保存修復といった成果について発表がありました。GEM-CCのラボツアーを始めるにあたり、GEM-JCプロジェクト業務調整担当の盛山美砂子氏とGEMの国際関係部門のメンバーより、旅行者と遺物双方の安全確保のためにラボ内で守らなければならない注意点やルールについてブリーフィングを行いました。
フセイン博士が参加者をラボへ案内し、遺物の歴史や施された修復作業について説明し、フセイン博士と参加者間で行われたGEM-CCでの業務に関連した質疑応答の時間をもってラボツアーは終了となりました。
参加者はラボツアーに満足されただけでなく、GEM-CCラボで行われている業務について深く感心された様子でした。このツアーを通して、私たちの貴重な遺産を守り、構成に受け継いでいくことがいかに重要か、より多くの方々に知っていただく機会になれば幸いです。