GEM-JCプロジェクトが対象とする遺物には、56点の染織品遺物(7点のリード遺物と49点のフォロー遺物)が含まれています。
リード遺物は、GEM-CCと日本人修復家が協力して作業する予定で、GEM-CCの修復家がフォロー遺物に対する保存修復作業を行う際に手本とするものです。フォロー遺物は、GEM-CCの修復家が保存修復処置をするもので、日本人修復家は必要時に技術的な支援を行う予定です。
ツタンカーメン王の染織品に関していうと、劣化の程度は全ての遺物において同じというわけではありません。しかし、ほとんどの場合、染織品を構成する繊維は劣化しており、ひどく脆弱な状態にあります。染織品遺物が発掘された際に、ほとんどが折りたたまれた状態、あるいは丸められた状態で見つかりました。繊維がひどく劣化している遺物に関しては、広げることすら非常に難しく、さらにこれらの染織品対象遺物の中には、経年によって退色した染色繊維もあります。