2011年12月4日~13日に国際協力機構(JICA)とGEM-CCの協力のもと収蔵品管理研修を行いました。この研修では、2011年9月~10月に行われた本邦研修に引き続き、久保正敏教授(国立民族学博物館)、日髙真吾准教授(国立民族学博物館)、和髙智美氏(合同会社 文化創造巧芸)の3人の日本人専門家に指導いただきました。
開講式では、2011年11月20日に新しく着任した大エジプト博物館(GEM)のジェネラル・スーパバイザーのアブデルバシール氏に、新しい博物館の重要性についてご挨拶いただきました。
今回の研修には、GEM-CCやGEMに所属する保存修復スタッフ、学芸員、考古学者とADDスタッフの計23名が参加しました。研修は、本邦研修で作成したアクションプランをもとに、どのように実施していくか、問題点にどのように対応するかについて、研修生との話し合いを中心に進められました。
久保教授は、国立民族学博物館のインフォメーション・システムを例として「文化資源をシェアしましょう」というテーマで理論的な講義を行いました。講義の終わりには講師と研修生による活発な議論が行われました。
久保教授は最後に、アクションプランの目標を達成するためには、保存修復や学芸員の各部署の間、情報共有と協力が重要だと強調しました。
日髙准教授は、研修の目的について、GEM-CC内の収蔵品管理をセンター全体で広く行っていく足がかりをつくることだと説明し、また、研修生同士が話し合いをすることで、より深く学ぶことが出来ると強調しました。
研修の5日目から実習が始まり、収蔵庫内において、どのようにしたら手で直接触れずに文化財を扱うことができるかを考察し、二酸化炭素ガスを使用した殺虫処理の実験を行いました。
3人の講師は、アクションプランをもとに、保存修復スタッフ、学芸員がそれぞれ協力して収蔵品管理をおこなっていくことを期待しています。
また、本プロジェクトのADDスタッフは、GEM-CC内の収蔵庫内で、文化財がどこに保管されているかを管理するための(所在管理)システム作りのサポートを行っています。
二酸化炭素ガスを用いた殺虫処理を実験の様子
ADDマネージャーが収蔵棚の番号のつけ方について研修生に対して説明している様子